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一次創作メインのイラスト・小説ブログ。(現在企画始動中) 小説の感想等、お気軽にコメントください^^

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2011.01.20 Thu 17:02

美月様から、誕生日祝いということで小説をいただきましたー^^///
ハノンちゃんとアリスのちょっと不思議でかわいくて素敵な小説です!

追記より

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―――…なんて事のない、それは酷くありふれた夢。



眠れないから。夜間に出歩く理由はそれだけであった。不眠症という訳でもないし、かといって昼寝をした訳でもない。そろり、足音を殺して外へ出れば感嘆の声と共に白い吐息が零れた。寒空に映える、純白の流星群。太陽が顔を出している内は春のように暖かいが、夜は真冬のように寒い。この気温が星の美しさを引き立てているのだが、流石は竜の巣といったところか、この世界に生ける生命の強さの訳が伺い知れる。漆黒の夜空に真っ白な星のコントラストが美しい。滑るように流れる流星群を人間の住む世界で滅多に見ることはできない。流星群どころか、一つ一つがこんなに強く輝いている星を見られるなど、今まででは考えもしなかっただろう。人間が近代の発展と繁栄と共に手放した自然が、この世界ではありのままの形で生きている。それは嬉しくもあり、悲しくもあること。流星群の流れに沿って、夜空を見上げながら歩き出す。広大な夜空に鈍色の千切れ雲が漂っては、星の軌跡を遮った。歩き続けていると白い流星群の波の中を青々とした星が一つ、周りとは比べ物にならないくらいのスピードで流れていくのを見た。何だろう?今のは一体。そう思えば思う程、己の内に潜む好奇心が膨れ上がる。天真爛漫の本領発揮、などと自分では気が付けないのだが。青い星を追い掛け、闇雲に走った。





「あ、アリス!」

行き着いた先には、無邪気に笑うユニコーンがいた。こんな時間に?とは思えどお互い様であるからして何も言えない。ハノンはいつもの服装の上に淡い水色のカーディガンを羽織っており、なるほど、流石に獣も寒いのかと納得した。彼女のその手に綺麗な麻袋が握られていて、嫌でもそちらに目がいってしまう。

「ハノンちゃん、何してるの?」

「あのね、お星さま集めてたの!」

「へえ………って、え!?」

思わず相槌を打ってしまったが、聞き違えでなければ『星を集めている』とハノンは言った。頭が混乱すると同時にその真意を探ろうとする自分が居ることも事実。じっ、と食い入るように麻袋を見詰めていると、ハノンは「ほら!」と言って袋の口を大きく開いた。

「す、凄い…」

袋にぎっしりと詰まっている星形の小さな物質は、確かに星なのだろうか。それすらも怪しいが、彼女が嘘をつくとは思えない。何故だか、淡く発光しているように見える。眠気からなのだろうと、強く目を擦ってはそれを見るが、明らかに光を放っていた。どうやらこれは現実であるらしい。出掛かったため息を飲み込む。

「アリスも食べる?」

「…こ、これ食べれるの?」

ハノンに勧められるままに真っ白な星(らしきもの)を一粒手に取る。それは小指の爪ぐらいの大きさをしていて、やはり金平糖を連想させた。口に含んでしまえば早い話だが、星を食うという前代未聞の行為へ至るには些か勇気が足りない。食したふりをして捨ててしまうのもある種の策だ。が、目の前で今か今かと期待の眼差しを向けられているのにそれはどうなのかと罪悪感に苛まれるし、この機会でなければ星の味など一生涯知ることなどないだろう。どうしようか、どうするか…。悶々とした葛藤の果て、ついに星を食すと決意した。ぽん、と口へ放り込んで咀嚼はせずに舌の上で転がす。星とは、随分不思議な味がする。舌触りは砂糖菓子のようにざらついているのに、果物のような自然の甘さがほんのりと香り、薄荷のようにすうすうするのだ。初めて感じる味、しかし、知っているような気もする。優しい味。

「…美味しい、」

自然と頬が綻ぶ。つられたようにハノンもへにゃりと笑って、よかったとだけ呟いた。星の詰まった麻袋の口をしっかり閉めると、それを大事そうに抱える。

「明日ね、皆で食べようと思ったんだ」

「そっか。だからこんな時間に?」

「うん」

気恥ずかしげに笑うハノンの頭をそっと撫でてやれば、嬉しそうに目が閉じられた。暫く銀色の髪を指で鋤いていると、ゆっくりと空色の瞳が開いてこちらを見据える。

「えと、一緒に帰ってもいい?」

困ったようなハノンの手を引いて「勿論!」と返せば、彼女は幸せそうに笑った。あくまで推測の範囲だが、きっと自分も今、こんな幸せそうな表情をしている。



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美月様、ありがとうございましたー!
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